Jin's Report 2009

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声援

第3戦 9月13日

【移動距離14マイル/約22.4km】
“Utah’s Own Rodeo at the Utah State Fair” Salt Lake City, Utah (PRCA)
“ユタズ・オウン・ロデオ・アット・ザ・ユタ・ステイト・フェア”
ユタ州 ソルトレイク

どんよりとした雲が空を覆っている。東に見えるワサチ山脈付近では稲妻が光っている。雨がぱらついてきた。
開始時刻は7時だが、5時には家を出た。お世話になっているジョーンズ家の両親も一緒だ。ここからフェアグラウンドまでは30分程度しかかからない。途中ルイのお姉さんの家に立ち寄り、彼女の家族も総出で車に分乗し、会場へ向かう。私のメンバーシップ・カードと付属のコンパニオン・カードで車2台なら無料でロデオだけでなくステイト・フェアにも入場できる。遅れて、ルイの家族も到着した。総勢15名ほどいる。子供たちの目的はステイト・フェアのなかで遊ぶこととはいえ、みんな私の試合のためにきてくれた。ルイは、このロデオにブルファイターとして出場するわけではない、私が出るから、といって来てくれた。

ステイト・フェアにて

6時前だったこともあり、エントリー・フィー140ドルを払った後は子供たちとともに遊園地へ回り、彼らが遊ぶのにつきあった。
9月10日から20日まで開催されるステイト・フェアはユタ州のお祭りで、最大の規模だ。といっても日本の“お祭り”とは違って、広大なグラウンドに移動式遊園地を設置し、土産物、郷土品などのブースが並び、ロデオやコンサートなどの催しがメイン・イヴェントとして夜おこなわれる。ロデオは10日から13日まで4日間だけ開催された。この日は日曜日だったからか、フェアそのものも賑わっているように見えた。
7時を過ぎて空から星条旗を掲げてスカイダイバーが降りてきた。どうやらオープニング・セレモニーが始まったらしい。私だけ先にロデオ・アリーナに戻った。

ロデオ・アリーナ

今日のブルはBar T Rodeoの#530 Lyle(ライル)。白と黒の2色で大きい。ストック・コントラクターのジェフとまた話し、昨年知り合ったLee Woolsey(リー・ウールジィ)とも話し、ライルのことを聞いた。左のスピナー、かなりいいブル、それだけだった。

Lyle

ロープを出し、準備を済ませた後、昨年ストレッチをした場所へ向かった。昨年もこのロデオに出場し痛い目にあった。忘れられないライドだった。ブルの名前はサンダンス。ゲートが開いた瞬間、グラウンドにたたきつけられ記憶を失った。完全にK.O.された。今年はそうはいかせない、その思いは強かった。
子供向けのマトン・バスティン(羊乗り)でルイの甥っ子が出場するので、それを見守ってあげた。私もこの子が生まれたときから見てきているので、私にとっても甥っ子みたいなものだ。
シュート裏で軽いストレッチをしていると後ろから「モシモシ」と声をかけられた。昨年ESPN.comのインタビューを受けたとき、ソルトレイクのロデオで写真を撮ってくれたスコットがそこにいた。日本にいるあいだも何度かメールのやり取りはしていて、私がユタに戻ってきてからは会うのが初めてだった。
それからしばらくして、AC/DCの“You shook me all night long”がアリーナに響き渡る。誰もが、この曲を知っている。イントロだけで、次に何がくるか想像がつく。ロデオ・クラウンがエア・ギターをかきならし、会場を沸かせる。私たちの出番だ。
ジェフから指示が出て、反対側のデリヴァリーからスタートして私は最後になると教えてくれた。何人か8秒乗り切って行く。シュートの中のライルはおとなしい。ロープを手に巻く間もじっとしている。リーが巻くのを手伝ってくれた。ルイはシュートから声を掛けてくれている。
出る。半歩も出ないうちにすぐに左に回る。蹴り足は高くないが、速い。次の回転で左腕が伸びてしまった。振られるがままに、飛ばされた。ブルファイターのフィルがカバーしてくれていた。わずか3秒足らずだ…。

もう一人のブルファイターのケリーが駆けつけてくれた。「出る前にもう左足が後ろに下がっていて、身体がねじれていた。スクエアでなきゃまずい」
シュート裏で見ていたルイからは「最初のスピンでポケットに座ってるし、それから腕が伸びちゃってたな!」動画で見ると、そのとおりだ。リーにも話を聞いたが、同じようなことを言っていた。悪い点が明かされていく。むしろ、ありがたい。

あまりのふがいなさに、へこんだ。ギアを片付けるのに、時間をかけてしまった。選手向けに用意された食事をつかみ、車へ向かった。
ルイの両親が私を待っていてくれた。彼らの声援に応えられなかった。
無言で車に乗り込むしかなかった。


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