Jin's Report 2009

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嘆息

第4戦 9月18日

【移動距離311マイル/約497.6km】
“75th Annual Lions Dixie Roundup” St. George, Utah (PRCA)
“第75回記念 ライオンズ・ディクシー・ラウンドアップ”
ユタ州 セント・ジョージ

I-15をひたすら南下する。最初は片側6車線もあるのに、次第に車線は減っていき、町並みが消えていくのと沿うように2車線に落ち着く。車の数も減り、アメリカのフリーウェイらしさが増す。
セント・ジョージまでは300マイル超。「4時間半ほどで着くよ」といわれたが、それは彼らの車で、彼らの運転でならば、の話で私の車と私の運転ではそうはいかない。試合開始は午後8時だが、1時半には家を出た。途中の休憩、給油も考慮して6時間とみた。丘を超え、山を越え、といった道が続く。セント・ジョージまで20マイルを切ったあたりから徐々に土の色が赤褐色に変わってくる。
去年もここで戦った。にもかかわらずフリーウェイの出口を間違えた。人に聞いてアリーナまでたどり着いた。

満員の観客

ここのロデオは純粋にロデオだけだ。先週のソルトレイクと違い“フェア”の一イヴェントではない。75回という歴史が物語る。地元の人々に愛されているからこそ、の歴史だ。観客席は満員で、立ち見もいるほどだ。ロデオ・オフィスでエントリー・フィー140ドルを払い、シュート裏に向かった。
ここのアリーナは少し変わっている。ボウル状になっていて、観客がブルやブロンコを上から眺められる。選手も観客席の階段を下り、仕切られているワイヤーの隙間を抜けてグラウンドに下りる。そこにBar T Rodeoのジェフとジャレッドがいた。今日のブルは#518 Sun Dog(サン・ドッグ)。グレイがかったイエロー、とジャレッドが表現したブルはブラフマ種と何かの混合のようだ。ブラフマ種特有の大きなこぶが首の上にのっかっている。覚えやすい顔だ。

Sun Dog 横を向いています

シュート裏に戻るとオープニング・セレモニーに参加する子供たちが星条旗を携えて待ち構えていた。邪魔にならないようにフェンスの上に座っていると日本語らしき会話が聞こえた。よく見ると確かに日本人らしき子も何人かいた。「こんな所で?!」とは思ったが、留学しているのかもしれないし、私が”こんな所で”ブルに乗ることを考えれば、彼らのような子供たちがいてもおかしくはない時代だ。

オープニング セレモニー

そのセレモニーが終わり、ベアバックを見てから駐車場へ戻った。野球場の外野をVIP客と選手用の駐車場として開放している。しかも天然の芝生だ。ストレッチをしている間も子供たちがあちこちではしゃぎまわっている。「今日これから乗るの?」何をしているのか不思議に思った男の子に聞かれた。「うん、だからこうして身体を伸ばしているんだ」そう答えると、「ふーん」という顔をして、またどこかへ行ってしまった。

タイ・ダウン・ローピングで日系アメリカ人のMatt Shiozawa(マット・シオザワ)が出ていた。全米高校選手権でオールラウンドのタイトルを獲り、すぐにプロに転向した。すでにNFRにも出場している。今年も射程圏内に入っているはずだ。サドルブロンコが終わるころ、私もストレッチを終えてアリーナに戻った。シュート裏にも人だかりがいて、見られるがままに準備を整え、出番を待った。

バレル・レーシングが終わる。ジェフとジャレッドから順番の指示が出る。こちらのデリヴァリーから3人出て、反対側から2人、私は6番目だった。ジャレッドと拳を合わせた。1人が86点を出した。他の4人は沈んだ。
私の番だ。一昨日の練習を思い出し、脚の位置を確かめる。GOサインを出しゲートが開く。Sun Dogは出てすぐにターン・バックし、そのまま右へ回る。Wipe My Hand、練習で乗ったブルのときと同じ型だ。右腕を右下45度で止めることで、外側に振り切られるのを防ぐ。練習ではこれが出来ていたのに、なのに!その右腕が後ろへ流れた。つられるがままに、右足が外れる。外にかかる遠心力で、そのまま飛ばされた。逃げ込んだ先は自分が出たシュートだった。天を仰ぎ、声にならない声でうなる。スライド・ドアを拳でたたく…。

一人おいて次はアレックスだった。反対側のデリヴァリーだったので、ヴェストだけ外してかけつけた。「Bear down, Alex!!!」声を掛ける。彼も気合十分のようだ。
出た。左にターン・バックし、ブルの蹴り足が伸びる。その次のジャンプでアレックスは体勢を崩し、さらに左に回られて、振り切られた。
ギアを片付けながら、自分のライドを振り返る。あそこでああしていれば、と後悔してもどうにもならない。また切り替えるしかない。アリーナから観客席へ上がり、観に来ていたSteve Woolsey(スティーブ・ウールジィ)とブルファイターのPhil Cropp(フィル・クロップ)に声をかけ駐車場に出ると、すでにアレックスがいた。
「また水曜日な」そう声をかけ別れた。
外野の照明はまだ明るかった。

あとがき:
翌朝、その外野でチャリティー・ブレックファスト(朝食会)が催された。

朝食会

一人5ドル。試合が終わってから食事はしたが、せっかく目の前で準備されているのに、そのまま立ち去るわけにはいかなかった。パンケーキ、ハム、スクランブル・エッグという“いかにも!”という朝食だった。ごちそうさまでした!

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