Jin's Report 2009

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ネオン

第5戦 9月25日

【移動距離493マイル/約788.8km】
“Pahrump Fall Festival PRCA Rodeo” Pahrump, Nevada
(PRCA)
“パァランプ・フォール・フェスティヴァル・PRCA・ロデオ”
ネヴァダ州 パァランプ

バッキング・シュート

再びI-15を南へ。セント・ジョージを通り抜け、アリゾナをかすめる。個人的な意見だが、この南北をつらぬくI-15での景観のハイライトは、おそらくこのわずか数10マイルのアリゾナの部分ではないだろうか?断崖絶壁、地層がむき出しの岩山のあいだを抜けていく。車を止めてゆっくり眺めたいが、道幅の細さと交通量の多さから、残念ながら止めて見られるような場所はない。目の前に砂漠が広がると、そこはネヴァダだ。
このフリーウェイを走る車のナンバー・プレートの多彩さに驚く。ユタ、ネヴァダ、アリゾナはもとより、カリフォルニア、アイダホ、コロラド、アイオワ、デラウェア、ネブラスカ、フロリダ、ミシガン、果てはカナダのアルバータまで。ラス・ヴェガスという街が、これだけ遠くの人たちまでをも惹きつけているのだろうか?

ソルトレイクを朝9時過ぎに出て、そのラス・ヴェガスで夕方のラッシュ・アワーにかかった。I-15が工事中ということもあり車線が減らされていて余計に渋滞を招く。スクール・バスの波にももまれながら、なんとか抜けた。それからステイト・ハイウェイ160で北西へ。パァランプは初めてだ。どんな町なのか、まったくわからない。山並みの中を抜けて約1時間、ようやく町並みが見えてきた。

ロデオ・アリーナはほぼ町の中央にあった。私の時計で午後7時半、試合は8時からなのでまだ余裕がある。エントリー・フィー120ドルを払い、Bar Tのジェフに声をかけ、簡単に準備だけして写真を撮りに出た。おかしい?と思ったのはこのあたりで、いつもなら来ているはずのベアバック・ライダーたちもまだ誰もいない。スタンドの観客もまばらだ。

グランド・スタンド

それでも気にせず撮り続け、一度シュート裏に戻った。が、まだ誰も来ていない。
まさか…と思って、もう一度ジェフに声をかけに行った。
「もしかしてネヴァダってパシフィック・タイム・ゾーン?」
「ああ、そうだよ」
「やっぱり!早く着きすぎたね、それじゃ」
「ケータイを持っていれば、自然と時間が変わるのに!」
私は持っていない。
「大丈夫、東に行くときはもっと困るから(笑)」
ジェフに慰められて、選手用のテントに向かった。アメリカには4つの時間帯があり、ユタは“マウンテン・タイム・ゾーン”だが、ネヴァダはカリフォルニアと同じ“パシフィック”だ。1時間の時差がある。私が着いたと思った午後7時半は、ここではまだ6時半だった。どーりで、まだ誰も来ていないはずだ。テントにはサンドイッチとピザなど簡単な食事と飲み物が用意されていたが、バナナだけもらってそこを離れ、ちょうどよく干草が積んであったので、その上で寝転がった。身体を伸ばし、少し眠った。しばらくしてロデオ・アナウンサーの声がかかり、オープニング・セレモニーが始まった。起き上がり、その様子を聞きながら、ストレッチを始めた。

セレモニーに参加する人たち

出場している選手はどの種目も少ない。進行は早いと思っていたので、サドル・ブロンコが終わった時点でシュート裏に戻った。ローピングの間に、もうブルがデリヴァリーに運ばれてきた。Bar T Rodeoの#407 Many Mothers(メニー・マザーズ)。小型のブルだが肩幅はある。首も太く、こぶもある。みなが口を揃えて出てくる言葉が“スピナー”。どちらにも回る。しかも速い。それが彼の特徴だった。先週のセント・ジョージで私は彼を見ている。そのときは左に回った。それが頭にあった。

Many Mothers

私の出番は2番目だ。ブルライディングが始まると同時に、ヘルメットをかぶり、グローブをはめる。動画は…、残念ながら誰にも頼めなかった。撮ってもらえる人がいなかった。ブルファイターはまたケリーとフィルだ。彼らに言われた言葉も覚えている。スパーをあて、ヒザを締め、出た。メニー・マザーズは、出るとすぐに右にターンバック、そのまま右に回る。最初のスピンは対応した。そこから加速する。必死に右腕を右下斜め45度で止めようとするが、振られる。3回目のスピンで左腕は伸び、振り切られた。落ちたところに彼が正面を向く。転がるようにして逃げるが、そのときに左のケツを角で突かれた。おかげでブルから離れられたので、反対側のデリヴァリーに向かって走った。また8秒ならず、だ。

この日出場したブルライダー全員が落ちた。ケリーとフィルに礼をいい、ジェフに声をかけ、ギアをしまい、またテントに行った。残念ながらサンドイッチはもうなく、冷めたピザだけが残っていた。それを一切れとバナナ、野菜ジュースとレモネード、これが夕食だった。呆然としながらそれらを食べ、一息入れた。明日はアリゾナで、またロデオがある。切り替えるしかなかった。


選手用の食事が用意されているテント

車に戻り、アリーナを出た。
この町でもカジノがメイン・ストリートの両側を占めている。そのネオンが人を惹きつける。が、私にはなんの魅力もなかった。
リアビュー・ミラーにその夜景だけが残った。

 

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