Jin's Report 2009

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53番

第6戦 9月26日

【移動距離165マイル/約264km】
“25th Annual Andy Devine Days PRCA Rodeo”
Kingman, Arizona (PRCA)
“25回記念 アンディ・ディヴァイン・デイズ・PRCA・ロデオ”
アリゾナ州 キングマン

昨夜のうちにラス・ヴェガスにあるトラック・ストップまで戻った。大型のガソリン・スタンドで長距離トラックが何台も止まれるような広い駐車場があり、店内にはコンビニのほかテレビ室、シャワーなどもある。この駐車場の一角に私も車を止め、眠った。
朝、冷たいカフェ・モカで目を覚まし、持参のパンとドライ・フードで朝食を済ませ、フリーウェイに戻り、東へ向かう。土曜の朝とあってか道はすいていた。フリーウェイからハイウェイ93を南へ向かうが、ここで渋滞につかまる。『フーバー・ダム』という巨大なダムがある。93はこのダムの真上を走っているのだが、観光地にもなっているために多くの人が訪れる。ダムを抜けてから空いている駐車場をみつけ、写真だけ撮った。2年前に通ったときは暗闇だったので、なにも見えなかったが、こうしてみると確かに大きい。貯水量も多そうだ。

フーバー・ダム

それからキングマンへ向かう。ここから80マイルほどだ。しばらくは両側に峡谷が見えるが、そのあとはなにもない砂漠の中をひたすら走る。93がI-40とぶつかるところでいったん給油し、そこでたまたまハイウェイ・パトロールの警官がいたのでアリーナまでの道を聞き、急いだ。このときですでに12時を回っていた。ロデオの開始は午後1時。幸い、アリーナまではそう遠くなく、無事に着いた。すぐにロデオ・オフィスを探し、エントリー・フィー100ドルを払う。今日のブルはHoneycutt Rodeo(ハニーカット・ロデオ)の#53。ただ53番という番号だけのブルだ。名前がついていない。想像するに、若いブルだからだろう。)
ここでも選手向けの食事が用意されていた。バーベキューでいい匂いを漂わせていたが、それほど腹は減っていなかった。準備をしてからブルを探しに行った。小型で、グレイがかかった身体に黒い斑点が散りばめられている。ブルを確かめてから、周りを見て回った。それにしても、暑い。ソルトレイクからかなり南下してきた。9月末にもかかわらず40度(華氏97度)近い。水分補給をしないと持たない。食事は摂らずとも、水のボトルだけは何度ももらった。

#53

ヘリコプターまで登場する派手なオープニング・セレモニーが終わり、ようやくロデオが始まった。しかし、ブルライディングまでは長かった。『地元住民の参加型』というのか、ロデオなのだがプロの種目だけでなく、一般の人も参加して楽しもうとする種目も加えられていた。ビジネスの研修にきていたというチェコ共和国からのグループがいて、彼らも参加していた。ほぼ満席の観客は盛り上がっているが、私たちの待つ時間は延びるばかりだ。テントの中で待っていると、もう一人のブルライダーが来て二人で話し始めた。ブルのことばかりだった。こういう話は日本ではできない。アリーナではティーム・ローピングが始まったようだ。このあとバレル・レーシングで、この日はジュニアのバレルもあった。そのあいだにストック・コントラクターのJerry Honeycutt(ジェリー・ハニーカット)と話す機会があった。前日、Bar Tのジェフから伝言を預かっていた。それを伝えて、#53の事を聞くと、「彼はいい!! 小さいけど、速いし、よく跳ぶよ」本人が言う情報だから間違いない。

サドル・ブロンコの選手たち

ようやくブルが動かされだした。デリヴァリーは一方向で、みな左向きだ。サドルブロンコで二人のリライド(やり直し)のあと、ブルライディングだ。私が最初だった。

#53にロープを巻く。こういう小型のブルにはロープを最短にしないと、ロージンを刷り込ませてある部分がちゃんとこない。私は去年のコロラド州リッジウェイでのライドを思い出していた。似たような小型のブルで、左向きのデリヴァリーから出て、そのまま左にスピンする。8秒乗り切ったライドを思い浮かべていた。サドルブロンコが終わった。
ジェリーから声をかけられた。「準備はいいか?」
シュートに入り、ロープを暖め、手に巻いた。脚の位置、足の位置を確認して出る。すぐに左へ回る。彼の身体が宙に浮く。確かに跳んでいる。しかも速い。右腕を動かしすぎたのか、身体が内側へ傾く。そのまま“井戸”の中に落ちた。最悪だ。シュートの中に逃げ込むが、振り回されたときに角で突かれたのか、首の裏に痛みを感じてしゃがみこんでしまった。ヘルメットを脱いで手を当ててみると、ヒリヒリとした痛みがあった。
また、落ちた。

シュートから這い出ると、目の前にチェコの人たちがきていた。言葉もわからずハイ・ファイブを求められた。「落ちたのに、なんでだ?」
興奮している彼らには関係ないようだ。求められるがままに、手を合わせた。彼らは他の選手にもそうしていた。
すべて終わり、ギアを片付け、車に戻るとジョーンズ家の親戚の人たちが来てくれていた。本来なら、ロデオの前にゲートで会う予定だったが、私が待ち合わせ時刻に遅れたために会えなかった。終わってから彼らが私の車を見つけ出し、そこで待ってくれていた。この日はキングマンに住む彼らの家にお世話になる。
「なにかしたいことある?」
「キングマンで?なにもないよ!ロデオ以外に。これが目的だったから」
冗談交じりにそう答えると、じゃ家に行こうか、となった。
その家まで案内してくれた。平屋のかなり大きい家だった。
今夜は車で寝ないですむ。それだけで、ありがたかった。

 

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