Jin's Report 2009

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観戦

10月23日

【移動距離49.5マイル/約79.2km】
“Wilderness Circuit Finals” Ogden, Utah (PRCA)
“ウィルダネス・サーキット・ファイナルズ”
ユタ州 オグデン

沈み込みそうなほどの雲に覆われている。どんよりとしていて、ここ数日雨が降ったりやんだりしている。冴えない、一言でいうとそんな感じだ。ロデオは夜からだが昼過ぎに家を出た。オグデンまでは遠くない。が、ついでにその近郊に住む私の友人に会いに行こうと思ったからだ。彼らともかれこれ1年以上会っていない。ワサチ山脈の中にある盆地にその小さな町はあるのだけれど、そこに辿り着くまでの峠道では、雲の上を走っているのではないかという錯覚に陥る。

観戦1

彼らには事前にメールで連絡はしておいたが、果たして読んでくれているかどうかは、わからない。すっかり紅に染まった樹の前に車を止め玄関をノックしてみるも、返事がない。ドアを開けてみると鍵はかかっていなかった。ということは中にいるということだ。声をかけてみるとキャシーがでてきた。「今あなたのことを話していたところなのよ!」どうやらご主人のコーリィと電話で話していたらしい。
彼らの元で3ヶ月間お世話になったのはかれこれ5年前のことだ。PBRの試合のために訪れたデトロイトの空港でコーリィと知り合ったことがきっかけだった。何がどう流れてこういう関係になったのかと問われれば、話は長い。とにかく、日本の知り合いから彼ら宛てに頼まれた手紙を渡すことが目的だった。キャシーは以前、馬の調教とウェスタン・ライディングを教えていて、日本人の留学生も何人か教えたことがあったらしい。その中で一人だけ、いまだに連絡を取り合っている女性がいて、その人からキャシーに手紙を渡して欲しいと頼まれていた。

昔話と近況報告に花を咲かせ、コーリィが帰ってきてから食事にでかけた。オグデンにある『てまり』という和食の店だった。テーブルで10席足らず、日本人のご夫婦で調理場を切り盛りしていて、娘さんがホールを担当していた。
数週間前のカリフォルニアでも『ごう志』という店に通ったが、ちゃんと日本人の方が経営されていて調理場にも立っているレストランは、やはりおいしい!というか、私たちが家庭で食べていた「おふくろの味」というのを食べさせてくれる。和食人気を反映してか、両店ともお客さんが絶えなかった。
「ごちそうさまでした!」と『てまり』の奥さんにお礼を告げ、ここでコーリィとキャシーとも別れ、会場へ向かった。途中アリーナ近くのガソリン・スタンドに寄ると、チャドがいた。彼はこのロデオに出場する。「それじゃアリーナでな!」そう言って先に出たチャドの次に、アレックスが大型のピックアップ・トラックで乗りつけた。彼も出場する。アレックスのあとを追う形でアリーナに向かった。
アリーナの雰囲気は、それほど普段のロデオと変わらない。が、ここに出場できる選手は、このサーキットのレギュラー・シーズンを戦い抜いて賞金ランキングで上位12位までに入った選手のみ。この舞台に立てる選手は限られている。トラビスも含めて、練習仲間三人が出場する。今年知り合ったザックとタグのエリオット兄弟も出場する。出場できない私がわざわざ観に来た理由をわかってもらえると思う。

観戦2

プログラムを見てさらに驚いた。ブルライディングに出場するブルたちだ。Bar T Rodeoのブルたちで、サン・ドッグ、ライルがいる。今年私が当たったブルだ。しかも去年のセント・ジョージ当たったクワジモトも出ている。そしてつい1ヶ月ほど前のバーストゥで当たったSlash T Rodeoのラム・タフまでいる。この日出場する12頭のうち4頭、私は当たったことがある…。
これだけの選手とブルが揃っているから、やはり見る側としてもがぜん興味はわく。

シュート裏から彼らがどのように準備をし、どういうライドをするか、それぞれのブルの動きも含めてつぶさに見つめた。
ほとんどの選手がバレル・レーシングの最中にベストもチャップスも着用するが、エリオット兄弟は、チャップスはぎりぎりまで着けない。チャドやアレックスはリラックスしようと会話をするが、トラビスはむしろ一人離れて立っている。人それぞれだ。
そして彼らの出番が回ってきた。
アレックスは大型のラム・タフを見事に乗り切った。私のときとは反対側のデリヴァリーから出て、右へ右へと回る。アレックスの身体は中心からブレることがなかった。
チャドとトラビス、ザックは振り落とされたが、タグは乗り切った。バランスを崩されたことで点数は伸びなかったが、その体勢の立て直しが上手かった。前日はトラビス一人しか乗り切れず、ブルの圧勝だと聞いていたが、この日は五人が8秒乗り切った。選手の気合の入り方も違っていた、というところか。


観戦3

帰り際、いまだに松葉杖のスティーブ・ウールジィに声をかけた。実は彼がこのサーキットのレギュラー・シーズンで1位だった選手だ。残念ながらケガで出場できなかったが、12月のラス・ヴェガスには間に合うらしい。彼としても、それを逃すわけにはいかない。そのための棄権といえる。
明日が最終ラウンド。誰がこのファイナルズを制するのか、この目で見てみたい。
出場した選手のみに与えられるデニム・ジャケットが、眩しかった。

 

 

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