Jin's Report 2009

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夕日

第9戦 10月4日

【移動距離134マイル/約214.4km】
“15th Annual San Dimas Western Days Rodeo”
San Dimas, California(PRCA)
“第15回記念サン・ディマス・ウェスタン・デイズ・ロデオ”
カリフォルニア州 サン・ディマス

前日のうちにサン・ディマスまで来ていたが、泊まる場所がないので、結局そこから30マイルほど離れたトラック・ストップで寝た。朝起きて、コーヒーと車に積んである食料で朝食を済まし、フリーウェイには乗らず、そのまま下の道で寄り道をしながら会場へ向かった。開始時刻は午後2時。1時半まえに着いた。

セレモニー前のカウガールたち

エントリー・フィー121ドルを払い、準備を始めた。写真もほぼ前日のうちに撮り終えていたので、それほど急ぐこともなく、時間をかけた。しかも競技と競技の間にいくつかアトラクションが入るので、ブルライディングまでは時間がかかる。身体を温めても、この日の気温ではすぐ冷めてしまう。雲の向こう側に陽が隠れてしまうと、とたんに涼しくなる。やはり季節は変わりつつある。

今日のブルはGrowney Brothers(グラウニー・ブラザーズ)の#220 Crystal Ball(クリスタル・ボール)。漆黒のブルで、見てくれがいい。しかも大きい。果たして、どんな動きをするのだろうか?

(#220 Crystal Ball

ブルライディングが始まるまで、ヘルメットの調整をしたり、ずっと小刻みに身体を動かしたりしていた。「今日こそは8秒」そう念じていた。
アリーナではロデオ・クラウンとロデオ・アナウンサーが観客を盛り上げていた。空席を見つけられないくらい埋まっている。前日よりも客は入っている。バレル・レーシングも終わり、バレルが片付けられていく。私たちもシュートに上がった。
運ばれてきたクリスタル・ボールはシュートの中で見るとまた大きく感じる。ロープを巻いてみたが、なんとなく「こいつスゴイ」というのが伝わってきた。私の出番までのあいだに二人が8秒乗り切った。いい流れを作ってくれていた。
そして私だ。ロープを左手に巻きつけているときに、ロデオ・アナウンサーがこのブルについて説明していた。「NFRに出場経験あり」、いいブルに当たった!
これまで8戦してきて全敗だが、ここで彼に乗れればスコアは高い。がぜん、火がつく。こういう大きいブルは常に前に、前に身体を持っていかないといけない。出る前の時点で、とにかく体勢を前へ持って行く。そうして出た。
動画では途中からになってしまったが、私は右のデリヴァリーから出た。つまり、この動画のスタートした時点で、すでにターンバックしている。一度飛び上がり、さらに空中で蹴り足が伸びる。そしてそのまま右へ。Wipe My Handという右回りに対処するための動きでついていく。2回目の回転もいけると思った。そのときに左足から外れていった。浮いた左足をロープの前に持っていきたかったが、間に合わなかった。右回りの“井戸”の中へ吸い込まれた。ハング・アップして振り回され、ロープから手が離れたあとに、回り続けていた彼に左脚のふくらはぎを踏まれた。ブルファイターの二人が上手く入ってくれたので、そこからは逃げ延びた。
いい感じだった、途中までは。あのとき、こうしていれば!と悔しがってもどうにもならないのはわかっているが、乗り切れないブルではない、そんな思いがした。

シュート裏に並ぶカウボーイたち

スポーツ・メディシン・チームの二人がブルに振り回された私を気遣って、見に来てくれた。「大丈夫か?」「とりあえず氷が要るよ」
用意されたベンチに座り、ジーンズを脱ぐと、ふくらはぎにこぶがついていた。「いいのが出来たな!」とドクターが私をからかう。2週間前に踏まれた箇所と、ほとんど同じところを踏まれた。「今日一日は出来るだけアイシングしておくこと」こういうときは、私も言われたことを聞く。
帰り際、ブルファイターのティムと顔を合わせたので、礼を言い、一緒に駐車場まで向かった。ルイの親友で、この二人が組んだときのブルファイティングは私にとっての最強コンビだ。残念ながら今日はルイとではなかったが、ティムは相変わらずいい動きをしていた。カリフォルニアではよく顔を合わせる。来月、またカリフォルニアでロデオがある。そのときは、ルイとのコンビだ。
車に戻り、はけないジーンズをしまいショーツを履き、サンダルで車に乗り込んだ。
これから向かう先はカリフォルニア州ニポモ。会わなければいけない人がいる。どうにか、この状況を打開するために。
フリーウェイを西へ。沈む前の夕日が目の前にある。今日も落ちたが、なぜか気持ちだけは明るく保とうとしていた。

 

 

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