Jin's Report 2011

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第12戦 7月21日

【移動距離11マイル/約17.6km】
“Days of ’47 Rodeo”Salt Lake, UT. (PRCA)
“デイズ・オブ・'47・ロデオ”
ユタ州 ソルト・レイク



午前中にショーンの家で練習を済ませ、午後からはランスに脚の付け根を診てもらい、家に戻ってから30分ほど昼寝をした。一度L.A.に戻っていた取材班も、この日からまた「密着」してくる。私が行くところどこへでも、彼らもついてくる。
この一週間、今日乗るブルのことばかり考えていた。おかげで8月の、いくつかのロデオのエントリーを忘れてしまっていたほどだ。日曜日の時点で、PRCAからメールが送られてきて、私が当たったブルが分かっていた。バー・T・ロデオ社の416 Butch ブッチ。2008年から昨年までの3年間、ラングラー・ナショナル・ファイナルズ・ロデオに出場しているブルだ。3年連続でWNFR!とんでもないブルに当たった。数多くブルを所有するバー・T・ロデオ社のブルの中でもトップ3に入るブルだ。

WNFRに出場するには、ロデオ・カウボーイは世界ランキング15位内に入らなければならないが、ブルやブロンコたちはその彼らも含めて上位30人の選手による投票で決まる。15人の選手が10日間乗るわけだから、それなりの数のブルやブロンコが選ばれるのだが、にしても、だ。3年連続で選ばれるというのは、並のブルではない証拠だし、今現在、PRCAの中でも最高のランクに位置するブルの一頭と捉えていい。
そのブッチに当たった。こんな機会は滅多にない。一体どんな暴れっぷりをするのか?どうついていけばいいのか?対戦が楽しみでしょうがなかった。

マーヴェリック・センターのビルボードにも “Days of ‘47”
マーヴェリック・センターのビルボードにも
“Days of ‘47”

この日は地元のアイスホッケー・チームのホーム・リンクであるマーヴェリック・センターがロデオ会場だ。ロデオ開始は7時だが、5時半には着いた。前日の時点で、ソルト・レイクのテレビ局から取材の依頼があり、その時刻に来るようにしたのだが、結果としてこの取材は行われなかった。なぜかは分からない。
会場の中のブル・ペンにてブッチを探し、写真に撮る。早く来すぎていたために、時間が余る。会場内をぶらっとしたあと、少し早かったが準備だけは始めた。6時を過ぎたので、ロデオ・オフィスにてエントリー・フィー221ドルを支払い、シュート裏に戻ると、今朝共に練習したアレックスもやってきた。
時間と共に観客が流れてくるが、満員にはほど遠い。2階席はほとんどが空席だった。ロデオ・アナウンサーがロデオの開始を告げる。オープニング・セレモニーを終え、ベアバックが始まる。ストレッチをし、自分の出番に備えた。ブルライディング前の順番が通常と異なってはいたようだが、まったく気にしなかった。
メディカル・チームの人に右脚から腰にかけてテーピングをしてもらい、準備を済ませる。ブルたちがデリヴァリーに運ばれてきたが、ブッチはまだ入ってこない。アレックスが先に出て、見事に8秒乗りこなし77点を出した。ようやくブッチがデリヴァリーに運ばれてきた。私は最後から2番目だった。彼の体にロープを巻いた。
デリヴァリーからシュートに入るが、その中でも身体を左右に振り、後ろ足を蹴り上げる。早く出たがっていた。が、私の準備はまだだ。彼に合わせることなく、自分の位置を確かめる。足の位置、少しケツを浮かせ、右手を前にかざし、ゴー・サインをだした。
ゲートが開くと同時に、左への強烈なターン・バック。ものすごい力で引き寄せられる。その左への動きは分かっていた。しかし、その速さとパワーにまったくついていけない。左へ回り続ける彼に対して、ロープを握る手だけが持っていかれる。ロープとケツがアッという間に離れてしまった。振り回されて、シュートの中へたたきつけられた。自分が出たところへ、わずか2秒も持たずに戻された。
言葉も出なかった。

416 Butch ブッチ
416 Butch ブッチ

やはり、3年連続WNFR出場という称号に、いつわりはない。「オレに乗るには早すぎる、出直して来い」そう言い放たれた気分だった。
アレックスによると、あのウェスリー・シルコックスもスティーブ・ウールジィも、このブッチと当たってはいるが、まだ8秒乗ってはいないそうだ。世界ランキング上位に常に位置する、あの二人でさえ、乗れていないブル…。
格の違いを見せ付けられた。

ロデオ終了後、ギアを片付けようとする私のところへ地元の女性新聞記者がやってきて、取材を申し込まれた。明日の朝刊に載せてくれるという。そのあと、数人の女の子にサインをせがまれた。さらには写真を撮らせて欲しいという女性が現れ、また違う女の子たちの集団にもサインを頼まれた。一度にこんなにサインをしたのは、いつ以来だろう?しかも女の子ばかり…。
彼女たちの対応に追われて、片付けを済ませたのはそれからだった。選手たちに用意されていた食事をいただいたのは、さらにそのあとだ。
一人テーブルに着き、食べている間、ここソルト・レイクが、やはり私の地元だと再認識した。それだけにこのロデオに対しての思い入れは強く、その結果に、応援してくれている人たちに対して応えられない自分に、腹立たしさを覚えるも、気持ちを切り替えるしかない、と言い聞かせるしかなかった。

沈み込んでいる暇はない。

翌日のDesert News 朝刊
翌日のDesert News 朝刊

 

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