Jin's Report 2012

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涙雨

第15戦 8月10日

【移動距離93.8マイル/約150km】
“Cache County Fair and Rodeo” Logan, Utah (PRCA)
“カシェ・カウンティ・フェア・アンド・ロデオ” 
ユタ州ローガン

土砂降りだった。
激しい雨が、容赦なくグラウンドもスタンドも、なにもかもを濡らした。

I-15を北上していく時点で、雲行きは怪しくなっていた。前日の天気予報でもユタ州北部全域で雨予報だった。会場に入るとすぐに、ポツポツと降り始め、オープニング・セレモニーが始まる頃には本降りとなった。これほどの雨の中でロデオをするのは、いつ以来だろう?
エントリー・フィーは141ドル。私のブルは、バー・T・ロデオ社のA32 Sneaky スニーキー。以前、練習仲間のチャド・コールが所有していたブルだ。あとで気がいたことだが、何年か前に冬の練習会で私も乗っていた。
シュート裏には屋根はない。雨でブルロープを濡らしたくはない。この状態で準備するわけにもいかず、シュート横のスタンドの下に場所を確保して、そこで準備を始めた。他のブルライダーたち何人かも、そこに隠れに来た。
ロデオが始まっても、私たちはそこからほとんど動かなかった。私は隙間から漏れてくる雨露に濡れながら、ストレッチをしていた。こういう状況でのスティア・レスリングの選手は泥まみれだ。ベアバック、サドル・ブロンコにしても落馬したり、8秒乗りきって飛び降りたにしても、泥に埋まる。ローパーもバレル・レーサーも視界の悪い中、走る。
カウボーイもカウガールも観客も、みなずぶ濡れだった。

ちょっと見にくいかもしれないけれど、土砂降りです……
ちょっと見にくいかもしれないけれど、土砂降りです…

ところが、いよいよこれからブルライディングというときに、雨がやみはじめだ。雨雲がどこかへ行ってくれたからだろうが、それにしても「このタイミングで?!」と思えるほどだった。
ブルロープを出して再度ロージンを刷り込み、ビニール袋に入れてシュート裏へ向かった。スニーキーは左のデリヴァリーだ。ロープを巻いて、そのビニール袋をハンドルにかぶせた。チャドから言われていたのが、スニーキーはその日その場で、本当に動きを変える、とのことだった。その動きについていくのみだ。最初のブレイクが、やはりカギだ。
いつもより前めに姿勢をとって、出た。左へターン・バック、ここまではいい。そして左へ回る。2回転目で、ついていけなかった。私も、泥に埋もれた。

ちょうど1年前のローガンでのロデオ。その日、家を出た直後に、私が長年お世話になっているルイ・ジョーンズの父親デイブ・ジョーンズが亡くなった。家族の人は、ロデオがあるからと、私にはすぐに連絡をせず、家に帰ってきてから私は知らされた。
今年、その弔いというわけではないが、この日私はデイブのために乗った。8秒乗りきって、それを彼に捧げたかったが、残念ながら叶わなかった。

一周忌。
それに報えることが、できなかった。

 

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