Jin's Report 2016

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2015 Cowboy Christmasカウボーイ・クリスマス

番外編

ネヴァダ州ラス・ヴェガス

2016年もWrangler National Finals Rodeo ラングラー・ナショナル・ファイナルズ・ロデオ(通称Wrangler NFR)が、12月1日から12月10日にかけて、ネヴァダ州ラス・ヴェガスにあるトーマス&マック・センターで開催された。
そのプレヴューはもう少し情報を整理してから書かせていただくとして、今回はこの期間中に開催されたWNFR以外のイヴェントのことを、2015年に体験してきたことを元に書いてみようと思う。

Wrangler NFR期間中、ラス・ヴェガスがロデオ・ファンで埋まり、盛り上がること必至なのだが、ロデオ以外でもここに来るべき目的が沢山ある。カウボーイやウェスタンのライフ・スタイルに関する催しものがラス・ヴェガスの至る所で開催されていて、その中でも、巨大なコンヴェンション・センター(日本で例えるなら幕張メッセや有明ビッグ・サイト)を丸ごと1館使い、最大級の規模でありとあらゆるショッピングを体験できるのが『Cowboy Christmas カウボーイ・クリスマス』だ。



会場入り口

会場で配られている案内にも、カウボーイ・クリスマスのタイトルの下に、「IT’S ALL HERE 全部ある」と記載されている。
正に、全て。全部!大小200近い企業や店舗が全米から集まってブースや展示スペースを構え、販売されている。ジーンズやシャツなどの衣類、ブーツ、カウボーイ・ハットはもちろん、ロープに馬具、牧場での仕事で必要な道具類、小物やアクセサリー、家具やインテリア、さらにピックアップ・トラックや四輪駆動バギー(クォド)、ライフルも含めたハンティング用品まで、とにかくカウボーイたちが生きていく上で必要不可欠かつ趣味の範囲まで広げて求められそうなものが、揃っている。
これだけ広い会場の全部をくまなく回ろうと思うと、正に一日がかり。とはいっても、この期間中のメイン・イヴェントがWrangler NFRなので、そのロデオが始まる時間前には会場自体が閉まってしまう。営業している時間は午前9時から午後5時まで。開催期間は2015年であればWrangler NFRと同じ12月3日から12日までの10日間だった。



ロデオ・ファンならば、ここに来なければいけない理由がある。ロデオ会場のトーマス&マック・センターでは、あまり会う機会がない出場選手に会える可能性が高いからだ。選手それぞれがいろんなスポンサー企業のブースで無料サイン会を開いている。サドル・ブロンコ・ライディングのライト兄弟や、ブルライディングのウェスリー・シルコックスもこの日来ていた。現役の選手ばかりでなく、この世界でも「伝説」と呼ばれるかつてのワールド・チャンピオンが来ていたりする。PRCAで過去3回、ブルライディングのワールド・チャンピオンに輝き、ロデオ映画の「8 Seconds」でも描かれていたTuff Hedeman(タフ・ヘデマン)氏に出会ってしまったので、もちろん写真を撮ってもらった。ぼくが初めてWrangler NFRを観に来た1995年、第8ラウンドで、彼はNFR史上に残る「名誉ある棄権」をした。ぼくは今でもそのシーンを覚えている。



Tuff Hedeman氏と

この会場の中でもひときわ大きく、ほぼ中央にスペースを取っているのが、『Wrangler』だ。PRCAのオフィシャル・スポンサーであり、今も昔もカウボーイたちから愛され続けているアパレル・ブランドだ。ジーンズやシャツを中心にものすごい量と品数の豊富さで、買い物をする人たちのあとが絶えない。ここで、思いきった行動に出てみた。
店員さんに「できればここの責任者の方にインタビューさせてもらいたいのだけれど」と申し出た。取り次いでくれたのが、この売り場の責任者という女性だった。いぶかしそうに見られ、日本のラングラーのウェブサイトでエッセイを書かせてもらっている日本のブルライダーだと告げ、「5分だけでいいから、いくつか質問させてくれないか?」と尋ねてみた。もちろん、すぐに「いいわよ!」とはならず、どうしてインタビューしたいのか?という理由も含めて出来る限り丁寧に説明し、持っていたタブレットでこのウェブサイトを見せ、やっと了承をえた。が、質問を重ねていくうちに、彼女のほうから「ちょっと待って。そういえば、そういうことに対応する人が今来ているから、彼にしてみて」と、その「彼」を探しにどこかへ行ってしまった。


Wranglerのブース


しばらく待たされてから、やってきた男性とまた挨拶を交わし、最初から説明し、タブレットを見せ、今回のインタビューを何かしらの形で日本のロデオ・ファンに紹介したいので、5分だけ時間をいただけないか?とお願いした。今度は、「いいよ、大丈夫だよ」といい返事をえて、名刺をいただいた。彼の名前は、Jeff Chadwick氏、ノース・キャロライナ州のグリーンズボロから来ていた。Wranglerの本社から来ているディレクターだった。
まずはPRCAとWranglerとの関係。チャドウィック氏いわく「ロデオすなわちラングラーという図式を作り上げたことに成功したことが大きい」という。ロデオ・カウボーイのための衣服をデザインして、パートナーシップを結び、ロデオそのものにもスポンサーとして名を連ね、ひたすらロデオとロデオ・カウボーイたちをサポートしつづける。それがあるからこそ、これだけ多くの支持を集め、長く愛され続けているのだと彼は言った。それは、長い年月をかけて、この二者が共存繁栄してきたからこそ言えるのかもしれない、とぼくは思った。
意地悪な質問もした。「カウボーイやウェスタン・ファッションにおいて、ここ数年、多くのブランドが生まれてきているが、どう思うか?」
「たしかに、彼らのジーンズは売れているかもしれない。だが、私たちが売っているのは、1本のジーンズじゃない。ウェスタンというライフ・スタイルそのものだ」
この言葉を聞いた時に、思わずぼくも微笑んでしまった。確かに、その通りだ、と。
この最後の一言は、今でもぼくの心に残っている。
Wranglerのジーンズ1本、シャツ1枚を身に着けることは、ウェスタンというカウボーイの世界への扉だ。そして、ロデオの世界に足を踏み入れ、今もWranglerを履き続けているぼく自身もWranglerというブランドに対する愛着が深まったばかりでなく、それを広めていく責任があると、あらためて背筋を正す思いがした。
突然の申し出にもかかわらず、Wranglerの歴史とこれからを感じさせてくれる貴重なインタビューをさせていただけたことに、チャドウィック氏に心から感謝した。

さて、インタビューのあとは見学と買い物三昧だ。
建物の中のあちらこちらを歩き周り、出場する選手を見かけては声をかけ、写真を撮らせてもらい、ロデオが始まる1時間前までここに滞在した。


PRCAのスポンサーでもあるRAM社の展示


そのピックアップ・トラック最新モデル


Wrangler NFRオフィシャル・グッズのブース


馬を運ぶトレーラーBLOOMER社の展示


サドル・ブロンコ・ライディングのライト兄弟


伝説的ロデオ・アナウンサーのボブ・トールマン氏と


この会場から、トーマス&マック・センターまで直行のバスが出ている。他にも巨大カジノへの直行バスも出ていて、すでに人が並んでいた。ぼくも土産物をすべて抱えて、バスに乗り込んだ。


  

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