Jin's Report 2012

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直撃

第7戦 7月6日

【移動距離49.3マイル/約79kmユタ州ペイソンから】
“Western Stampede” West Jordan, UT. (PRCA)
“ウェスタン・スタンピード”
ユタ州ウェスト・ジョーダン

前日、ほぼ一日かけてニュー・メキシコからユタに帰ってきた。少し遠回りをして、午前中にモニュメント・ヴァレーを回った。アメリカで、グランド・キャニオンと共に最も訪れたい場所だったからだ。
一日だけ、ブルライディングから完全に離れたかった。しかも、帰り道に寄れない距離ではなかったことも幸いした。
そして、その景観に感動した。しばらくその景観に見とれ、ただ時間が過ぎていくままに、過ごした。
日本人を含め、多くの観光客が訪れ始めた午後には、そこを出た。家には帰らず、ペイソンにあるショーンの家へ寄った。

モニュメント・ヴァレー
モニュメント・ヴァレー

翌朝、彼の馬にまたがり、両足の感覚を確認し、それからバレルにまたがり練習を繰り返す。解決の糸口は、練習しかなかった。

ロデオ会場には、早めに着いた。ロデオ・オフィスでエントリー・フィー141ドルを払い、ブル・ペンへ。私のブルはフライング・U・ロデオ社のD487K Tighty Whitey(タイティ・ホワイティ)。よく知られたブルで、以前PBRワールド・ファイナルズにも出場した経験を持つ。いいブルだ。
シュート裏では、仲間のテイト・ジョーンズがすでに来ていて、準備を済ませていた。プリーザント・グローブで優勝して、現在私たちのサーキット・ランキングで3位につけている。この日も上位を伺っていた。
この日のロデオは長かった。もともと多くのブルライダーのエントリーを受け付けたこともあって、ブルライディングは二つのセクションに分かれており、私は最後のセクションに入っていた。そのほかにも子供たちのマトン・バスティンや、カウガールたちのトリック・ロープや他の演目が入り、実際に私たちの出番が回ってきたのは、夜10時を過ぎていた。

マトン・バスティンに挑戦する子供たち
マトン・バスティンに挑戦する子供たち
落ちてしまい、泣いてしまった女の子。これもカウガールへの道?!
落ちてしまい、泣いてしまった女の子。
これもカウガールへの道?!

D487K Tighty Whitey タイティ・ホワイティ(中央)
D487K Tighty Whitey タイティ・ホワイティ(中央)

タイティ・ホワイティは、私にとってちょうどいいサイズだ。肩幅がしっくりと私の両脚にはまる。首の太さがハンパではない。ただこれだけ幅があると、ポジショニングはしやすい。待っている間、ひたすらシャドウを繰り返してきた。身体は温まっていた。私は4番目だった。
ゲートが開いてすぐに左へターン・バック。着地してすぐにそのまま左へ回る。Into my hand、私にとって内回りとなる動きでその速さに対応する。3回転目でキックよりもむしろジャンプが高くなる。身体は前方に持っていけたが、返しのキックで席に戻るタイミングが外れた。左足が外れて、井戸の中へ落ちていく。彼の顔が私の頭をかすめる。ブルファイターのアーロン・ハーゴがすっと入る。タイティ・ホワイティはアーロンへと吸い寄せられていくが、跳ねるのをやめたわけではない。片方の角が私のアゴをすくっていき、右の前足が、私の左足をしっかりと踏んでいった。3月に骨折した、あの左足だ。
もう一人のブルファイター、ルイが交錯して、タイティ・ホワイティが遠ざかっていく。這いつくばりながらシュートに逃げた。
私の後にも何人ものブルライダーが出番を控えている。シュートを空けないと、ブルを入れられない。ロデオ自体の流れそのものにも影響が出るので、シュートをよじ登り、出た。歩いてみても、それほど影響はない。「折れてはいない」そう感じた。
救急隊員が駆けつけてきてくれたが、テイトの出番が回ってきたので後にしてくれ、と頼んだ。仲間が出る、その瞬間を逃すわけにはいかないし、高揚しているときは、すぐには落ち着けない。

テイトが落ちてしまったのを見て、熱が下がった。あきれた顔の救急隊員が、すぐ私の後ろにいた。シュート裏に座り、スパーを外し、足首用のブレイスとブーツを脱いで、靴下を下げていくと、外側のくるぶしがふくらみ、4本の指の付け根にすでに青あざがあり、うっすらとブルの足跡が残っていた。指は動かせるし、足首も回る。骨に異常はなさそうだった。
「冷やすことが第一、なるべく足を上げて腫れを引かせること。それから痛み止めを飲むこと」打撲や捻挫に対する、基本の対処法だ。
不思議なもので、診断を聞くと痛みがやってくる。

片付けをしていると、ジョーンズ一家に襲われた。みんな見に来てくれていた。
足を引きずりながら車へ向かうと、練習仲間のウェイシィ、コーディ、ブラッドらと重なった。来週二つのロデオがあるが、同じ曜日に入っているので共に行くことにした。
最後にルイに会いに行った。奥さんのトリシャと3人の子供たちも一緒だった。
「出だしはメチャクチャ良かったじゃないか!あのままいけると思ったのに」
私も、そう思っていた。見ていた誰からも、そう言われていた。それだけに悔しさは募るが、先週のリーハイからの3試合と比べると、自分の中でも何かが違っていた気はする。ルイも、それを見て取ったのではないだろうか。
来週はニーファイ。ルイもまた、そこにいる。

腫れた左足首
腫れた左足首


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